Note

シューケア 実践編

Hand Bookとこちらのシューケア記事を読んでいただいた方から、シューケアに使うクリームとシューツリーのオススメのお問い合わせが多いので、もう少し踏み込んだ話をここに書いておきます。

なぜ今まで書いていなかったかというと、特定の商品をオススメしたりしなかったりするのが公式にどうなのかと気になっていましたが…。

まず、前提として、オススメのクリームは特にありません。

なぜかというと、僕の革靴のケアは結構雑でして、今は、放置気味のクタっとヤれた感じが好きなんですね。
これは革靴をいっぱい持っている人あるあるかもしれません。ピカピカにするのもいいけど、って。

そんな僕が作っている靴なので、ヤれた感じが魅力的になるような革を使っています。

あまり神経質にケアしなくても魅力が損なわれるわけではないということを心に留めておきながら読み進めてください。
↓は普段使うケア用品です。クリーナーはほとんど使っていません。簡単な汚れはぬるま湯タオルで拭き取ってしまいます。

心得その1 乾燥は大敵

基本的に革のケアとは、お肌や髪の毛のケアと同じだと思ってください。
こだわりがない、というものの、革にとって乾燥は大敵。
言い換えれば、「厚化粧は好きじゃないけど、パサパサの状態も好きなじゃない。」
基礎化粧品のケアと適度なお化粧が、靴を魅力的に保つポイントです。

心得その2 手を汚しましょう

今やあまり時間をかけてケアしなくなった僕ですが、「手が汚れない」系の楽チンアイテムは使いません。
(製品の仕上げは時間をかけて磨いていますよ。)

「ビジネスマンの忙しない朝の玄関にこれ一本」的なそれは、正直に言ってあまりケアを必要としない革に使うものです。
僕からしたら業務用リンスインシャンプー みたいなもので、靴のケアをしたいと思っている方が使うものではありません。
ポスプロの革には合わないので使わないでください。

黒い靴クリームを使うときは爪の中まで黒くなってしまいますが、クリームを塗り拡げる用の小さいブラシなど使うと便利です。

瓶入りの靴クリーム

基本的な靴磨きに使うのは、↓のようなガラス瓶入りの靴クリーム。
乳化製クリームは水分を含むため、瓶に入っています。
革に必要な油分と水分を補給しつつ、色付きであれば補色します。基本的なケアはこれで足ります。

*乳化といえばパスタ。自粛期間中はYoutubeでずーっとペペロンチーノの乳化動画を観ていました。

製品の仕上げで使っているのも上の画像のものです。特にクセもなく使いやすいかと。
こちら、東急ハンズやamazonで800円〜1000円くらいですかね。
具体的にどんな靴クリームがいいのかとよく聞かれますが、メーカーが違えど同じ価格帯なら大差はありませんので、ジャケ買いでいいと思います。
1500円くらいするものは少し高級な部類なので、気持ちを上げるならそれもいいですね。
ちなみに、瓶ひとつで少量に見えますが、あまり手入れをしない方なら、一つ買うと平気で3−5年は保ちます。(開封後は水分が飛ぶので、年々もするとワックスになっていってしまいますが)

缶入りのワックス

缶入りのワックスは玄人向け。
こちらは水分を含まないため保湿ではなく純粋にお化粧のために使うものです。
つま先やかかとなどの屈曲しないところだけをピカッと光らせることができますが、扱いが難しく経験の浅い人は使わない方がいいです。
習得したい方は靴磨きのYoutube動画を観るか、靴磨き屋さんに行って教えてもらいつつ、あまり履かなくなった靴で練習しましょう。

ブラシ

馬毛=ホコリ落とし
豚毛=クリームを広げる
ヤギ毛=キメこまかく仕上げる

馬毛ブラシを使って、帰宅時に玄関で毎回ホコリ落としをするといいです。
ウールのコートやニットと同じですね。日常的にホコリを落として毛並みを整えるのがきれいに保つ秘訣です。

豚毛ブラシを使って、靴クリームをムラなく広げ、余分なクリームを飛ばしましょう。
使い込んだブラシなら、ブラシに残ったクリームだけでちゃちゃっと靴を磨くと程良いです。

ヤギ毛ブラシは基本的に使わないです。これは缶入りワックスを使うときに使うので、玄人向けです。

シューツリー

ブランド純正のシューツリーがなくてすみません。いつか作りたいです。

シューツリーの役目は大きく2つです。

      履き口をピンと張ること.
      幅の部分(親指の付け根〜小指の付け根)が痩せない(細くならない)こと.

履き口をピンと張る状態を保つにはバネ式(バネの先に玉が付いているもの)が楽ですが、バネ式だと余った力で甲部分を上方向に引っ張ってしまうので、幅が痩せて(細くなって)しまいます。
ネジ式など段階的に調節できるものであれば、決めただけの力で無理なく適切に履き口を張った状態に保てます。

高級感がないのは残念ですが、プラスチックの簡易的なものは便利です。

ポスプロの靴はかかとをかなり小さく作っていますので、海外靴に合わせた木製のツリーはかかと部分が大きすぎて合わないものもあります。
特にかかとのトップラインですね。ここをキュッと狭くするために職人さんが頑張ってくれてるんですが、太いツリーを入れるとこれが広がってしまいます。
これを避けるために無難なのが、↓のようなかかとが棒状のものです。
注意点としては、これを適切なテンションになるようにちょうどいいサイズのところで使ってください。無理に大きいサイズのところで使おうとすると逆効果です。

本格的な革靴を初めて買う方にオススメしたいのは、2万円もする高いシューツリーをセットで買うなら、シューツリーは1000円で済ませて、2−3万円の価格帯の革靴をもう1足買って、しっかりローテーションさせることです。

あまり気張らずにできるシューケアはこんな感じです。
全部そろえて5000円いかないくらいでしょうか。
靴クリームは革の色ごとに揃えるべきですが、他のものはおおむね兼用できますので、1通り揃えておくと後が楽です。

僕はいまとなっては、人前に出るときしかしっかりした磨き直しはしません。
その代わり、使い込んだブラシでほこり落としはしています。
あとは湿気対策ですね。住宅事情によりますが、急な雨で濡れたときと梅雨時期は本当に注意してください。
雨で濡れたときは、風通しのいいところでちょっとした段差に立て掛けて(靴底を浮かせて)乾かすようにしてください。

より発展的なシューケア方法はGoogle検索してください。今はYoutube動画もたくさんあるので参考になるかと思います。