いぶし銀でして
もはや何度書いてるかわからないけど、ゴートという素材はとても良い。
履き手からしても作り手からしても、良い。ほんでもって好き。
(ゴートはヤギ革のことです。
ヤギと羊の顔の違い思い出せましたか?)
作り手目線でいうと、このゴートはしっかり肉厚でコシが強いのにしなやかなのが魅力。
靴は引っ張る工程が多いので、しなやかでないと成形しにくい。そんなことで作り手フレンドリーな素材。
履き手目線で言うと、傷も目立ちにくくてケアも楽だし、足馴染みも早い。ただ一つ、こいつはベビーカーフのようにピカッと光るわけじゃない。新品ではわかりにくい魅力が、履いていくとわかる。
抑えたトーンで語りかけてくるような、うんうんと頷いて聞き手に徹してくれるような性格。そんな彼はいぶし銀にタバコ吸って澄まし顔だけど、本当は主役も狙ってる。
そんなことで他のモデルでは二番手になる素材を主役にしてあげたく、Class-Bootsというブーツを作った。
Mil-Bootsで使うには多少無理が出るくらいには小さい革。
センターを縫い合わせることで、小さい革であるゴートの魅力を引き立てている。
もちろんローファーでもゴートは最適な素材の一つ。
ぜひベビーカーフやカーフ以外にも目を向けてみてほしい。