Note

メッシュのススメと散文

寒くなってきましたね。ガンダム知らずに見始めた『水星の魔女』も折り返しです。 
ガンダム知らずに『ハサウェイ』は面白そうと思って観て、話途中で終わって困惑しました。
(ハサウェイは『虐殺器官』のアニメーションと絵の雰囲気が近くて面白そうだなと思ったから。)
水星の魔女も0話プロローグの満足感がすごかったけど、いまだ学園ドラマなので困惑はしている。

いや、今期何観てるかのお話ではなくて。来季23SSのお話ですよ。

年内の23SS受注会ツアーも最終盤です。
お取扱店では在庫販売しておりますので、HPのStockistsからそれぞれチェックしてみてください。
Loftman B.D.にてモデルとサイズとも幅広く取り揃えていただいております。

お店でお取り扱いいただくモデル、サイズは限定的にならざるを得ないので、そういう隙間を埋めるようにして受注会を行っています。
お店とは本当縁でしかなく、お誘いしても気づかれなかったり、お声掛けいただけなかったり、様々です。
待ってても仕方ないのでお取扱店のない地域は行かざるを得ないですしね。
そんなわけで、お出かけできる範囲に来た際にはぜひご参加いただけると嬉しいです。

23SSモデルの先取りオススメでいうと、やはりメッシュです。
ぐっと寒くなった11月終わりにそうめんの写真を見せられるくらい気分が乗らないかもしれません。
そんな“涼”を感じるこのルックス。

世間的にメッシュの気分かどうかでいうと、メッシュの加工屋さんが瀕死に近いことをみる限り、トレンドではないんだろうなと思う。
そうはいっても、古着屋でも百貨店でも常にメッシュの靴はあるので、特別人気でも不人気でもないのだろうなと感じると思います。
でも、日本製の靴ということでいうと極少数派になっている。

ことは単純で、今回採用している”差しメッシュ”はすべて手作業で時間がかかるからです。

細かい切込みを入れた革に、テープ状の革を上に下にと手作業で差し込んでいく。
1足だからそれを2枚。細かい網目にしようと思うといっそう時間がかかる。
もっと複雑な手作業のメッシュも存在するなかで、比較的単純な構造の差しメッシュでさえ、その立場が危うい。

ただ、作り手目線からメッシュの何が魅力的かというと、その組み合わせの自由さ。

服の作り手のお話を聞いていると、”服地”を考えるとき、生地をつくるタテ糸とヨコ糸の組み合わせの織り、ニットの編み、果ては糸さえ何糸と何糸があり…そこに色があり…”装飾”の前にある”素材”について羨ましいほどの自由度があります。

この生地を作る工程こそが、革では難しい。
もちろん鞣し方と染め方、箔押しなどの二次加工も多彩だけど、革は1枚の状態で、重ねるようなことしかできない。
メッシュなら、服地まではいかずとも、色々と工夫できる。
1枚の革の中で捨てられがちな端の部分も活用できるし、複数種類の革を組み合わせることもできる。

まず今回は2種類。
ゴートスエードの表裏両面を組み合わせたものと、オイルドベビーカーフとカーフを組み合わせたもの。

毛羽立ちの差やツヤの差がでることで、凹凸感を強調するようにして制作しました。
アッパーデザインはあくまでシンプルに。主役はメッシュ。
せっかくなら幅広い人に選択肢に入れてもらいたいから、価格はそこまで上げていません。

Tear Pumps Mesh は各色 ¥58,000+tax
(工賃全部反映したらとんでもないけど、うまくバランスをとって)

軽い見た目が持ち味のメッシュなのに、こちらの想いが重すぎるのはご愛嬌で。
涼しげな顔して履いてほしいなーと、作り手たちはいつだって汗にじませながら真剣に…。
いやー、日本酒の季節になるとついつい話に熱がこもりがち。

受注会では一度アウターを脱いで、できる限り春の装いに思いを馳せてください。