ミリタリーじゃないけど
あっという間に半年が経つ。
もうすぐ22SS展示会です。そんなにたくさんの型を出すわけでもないですが、今回は新たに採用した素材が多いです。色々使いたい革がどっと出てきて。
近況報告もほどほどに、新たにリリースした新作Mil-Dressのご紹介です。
ミルドレス。
ミリタリーのドレスシューズ。
とはいうものの、Mil-Dressのモチーフはミリタリーシューズじゃないです。
デザインのモチーフはイタリアのプリズナーシューズ=囚人靴。
とにかく”イタリアの”ってところがミソです。
本家のものはレザーソールでヒールがかなり高め。
他の国のプリズナーシューズやサービスシューズを見てみると、レザーソールはあるけどヒールがそれだけ高いものは無い。
さすがに細部を見て丁寧というものではないけど、全体的にはイタリアらしいエレガンスを醸し出してる。
うちの木型のヒール高とも相性がよく、なによりサイドゴアの短靴スリッポンの使いやすさは言わずもがな。
フィッティングもそんなに神経質になる必要はない。
こんなんなんぼあっても… って気がついたらこぼれてしまいそうになるこのキラーフレーズ。
フィッティングといえば、この木型は今回新しく作り直しました。新しい木型はサイドゴアブーツのMil-BootsとNormにも採用しています。
これまでの木型(Re-luxとSaddle)は極端に甲の薄い足を想定して作っていました。
概ね20代〜30代前半の華奢な方に多い足の特徴です。
ターゲットを絞って攻めた木型でもあっただけに、合わない足の範囲もそれなりに広かった。
そんな課題もあり、今回はある程度ドッシリした足にも合うように甲に厚みを持たせつつ、絞るところは絞ったまま、つま先の捨て寸を短くすることでクラシックな雰囲気を強くしました。
フィッティングの上でも雰囲気の上でも、合わせやすいと感じてもらえるお客様は増えた実感があります。
デザイン面では、本家よりもドレスシューズとしてのエレガンスを強調しています。
本家にはゴム下に剥ぎがあるけど、接ぎ目は内踏まずだけにして、外側はツルッとカーフの美しさを引き立てています。木型のエッジも際立ってかっこいい。
ゴムのカットも特徴的。木型のエッジに沿って丸みを帯びた曲線がほんのり愛らしい。
合わせる服は選ばないド直球プレーントゥですが、あえてフルレングスorくるぶしより上にカットオフしたような、軽フレアなパンツなんかも気分じゃないですか。
(↑1stサンプルだから細部が少し違う。)
ブランド開始当初から「やりたいなー」と思い続けてきたこのデザインを寝かしていた理由は、これ!という革が見つからなかったから。
1枚のピースが大きくなるデザイン(Normやサイドゴアブーツ)では、1枚が小さいベビーカーフとゴートは使い難い。
素材のカーフは今までのベビーカーフとは違う大人寄りの仔牛。人間でいう中高生くらい。
キメは大きめで中肉なわりにしなやか。
有名どころのカーフはいくらでもあるけど、硬すぎたり、堅すぎたりする。
名だたるカーフの、触るだけで感じる「高級でっしゃろ」みたいな圧に嫌気が指してた頃に出会ったこのカーフ。有名どころの新作の革。
「柔軟剤使ったろ」って言いたくなるような独特なやわらかさが魅力。
続きは直接触れながら。
そしてMil-Dressの兄弟、Mil-Bootsの紹介はもう少し先。
もうちょっと涼しくなってから。
SPEC
カーフのみの展開
motel:Mil-Dress
material:Calf
price:¥68,200- (62,000+tax)
在庫展開のある取扱店
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MusterWerk
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詳細はStockistから。